JALよ、マーケットというのはこういうものだ！！

先日JALが香港⇔成田便を減便、関空便に至っては廃止すると書きました。
自分のマイルのことしか考えていなかった僕は、ロジスティックスのことについて見落としていました。
実は減便、廃止には貨物便が含まれていたのです。

一般にマーケット価格は需要と供給によって決まるわけですが、JALの貨物便が撤退したことによって供給が減少してしまいました。
そこで、グローバルプレイヤーであるCathay Pacificはすぐさま、貨物便の価格引き上げを決定しました。当然ですよね。供給が減少したわけですから。
たぶんCathayはまだか、まだかと待ち焦がれていたと思います。

需給曲線なるものがあるわけですが、日本向け航空貨物のマーケットはグラフでいうところの均衡点より左側に入った感じです。
（需要曲線とは：http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%80%E8%A6%81%E3%81%A8%E4%BE%9B%E7%B5%A6）

これから日本向けの物流コストが上がりますね。顧客にコストを転嫁するのが難しい業態の経営は大変です。

さて、JALが貨物便から撤退したということは、採算が合わないからです。
（JAL全体として貨物便から撤退します。もしかしたら香港⇔成田の貨物便路線は黒字だったかもしれませんが）

Cathay Pacificは今までも単価を高めるために、減便して供給を減らしたりしました。（メーカーでいう流通在庫を減らすようなことですね）
SARSの時は旅客の激減を補うために、旅客便の座席を取り外し、貨物便に仕立て直したそうです。

ANAは沖縄をハブ空港に羽田や地方空港に貨物を短時間で届けれるようにしたりと付加価値を出すような工夫をしています。

某フォワーダーの方が行っていました。「JALは（貨物のスペースを）値引き販売しかせず、商売に何の工夫もしていない」と。
これじゃあ潰れますよね。たぶん会社更生も失敗しますよね。

稲盛さんは立派な方なので、期待はしています。が、もう手遅れでしょう。
一回心停止した末期ガンの患者は名医でも治せないってことです。

日本唯一の国際線会社（になるであろう）ANAに期待します。

コメント 4

最近、楽しく拝見させて頂いています。私は来年にHKUST留学を目指して勉強している日本在住33歳です。

JALの再生失敗、同感です。私見ですが5年も持たないのでは？再生機構も同じ金を使うなら、JALの買収資金をANAに突っ込んだ方が国民とって意味あると思います。今している議論は10年前にするべき議論ですよね。

またいろいろと教えてください。

by Taka (2010-05-07 22:51) 

Takaさん、こんにちは。

JALがやろうとしていることは旅客に集中、採算の取れる路線のみ就航、海外は成長の見込めるアジア路線とビジネス路線に絞るということだと思いますが、ANAの方向性とかぶっています。

結果的に日本のキャリア同士で競ってしまい、海外のキャリアとの競争力が落ちてしまいそうですね。

来週にはHKUとHKUSTのどちらに行くか決まりそうです。MBA関連の情報もまたアップしていきます！！
by hide-and-seek (2010-05-08 20:28) 

JALのお得意様重視観点が異常です。
搭乗中の混雑中、上得意様に挨拶に来るそうです。
そのお客も、他人に迷惑が掛かって厭でしょうに・・・
飛んでからにすれば、お互いにスムーズなのに・・と思います。
顧客サービス以前の姿勢がずれている気がします。
それとは反対に、中国航空会社のサービスが、良い方向へと変化してきています。

稲盛さんももう手法が狂っているのか、まだ実績のない自分の法人への優遇措置などで問題が浮上しています。着手すべきポイントが、順番が違って居る気がします。

北京行きのコードシェア便が見当たらなくなりました。
稼ぎ頭も撤退したのでしょうか・・・儲からない路線だったのかな？
by こまちゃん (2010-05-19 15:57) 

こまちゃんさん

実は私も、必要以上に丁寧なあいさつがいやでした。
仕事している時や、本を読んでいる時に挨拶にこられても、対応が面倒ですし、こまちゃんさんが言われるように他のお客さんにも迷惑でしょうし。

ただ、こういうサービス（心遣い？）が嬉しいおじさんがたくさんいるのでしょう（笑）

ビジネス客は徐々にANAに流れて行っているようですし、これからが正念場でしょうね。
by hide-and-seek (2010-05-19 18:44)