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粉ミルクビジネスとマーケティング [MBA]

Channel Managementの授業では期末テストの前週にChannel Auditなるプレゼンがある。授業で学んだSales Channelの選択による問題点等を見つけ、その解決案を提示するというもの。
自分たちのグループは、チームメートの勤務先がやっている赤ちゃん向け粉ミルクビジネスを題材としている。

で、独身、子無しの自分は赤ちゃん向け粉ミルクの知識なぞある訳もなく、Webでいろんな情報を集めている。このチームメートはちょうど赤ちゃんが幼児になった頃なんで、当然いろいろ知っているわけで、自分との知識差は天と地ほどの差である。他のあるチームはビール会社を題材としている。そっちなら貢献できるんだが・・・

Sales Channelの使い分け(問屋を使ったり、Webで直販したり、大手小売店に直接販売したり)や販売促進方法を調べなきゃいけないんだけど、そんな情報はWebには転がっておらず、チームメートに質問してばかり。どう考えても彼が一人でやった方が早いはず。

そんな調査をしているうち、気になったことがあるので紹介したい。

粉ミルクのマーケティングの成功例として、1970年代にTVCMのようなマス広告を減らし、産婦人科のような医療機関での販売プロモーションにシフトした例があげられている。

当時、母親は粉ミルクを選ぶとき、90%近くの人が病院で出てきた粉ミルクを退院してからも買い続けていたそうだ。それに目を付けたある会社は病院で使う哺乳瓶を提供したり、粉ミルクを無償提供したりしたそうな。その結果、マーケットシェアが急進したという成功例。これだけ読んでいるとMBAっぽい話なんだけど、実は書きたいことはこれではない。

上記のようなマーケティングの結果、母乳だけで赤ちゃんを育てる母親が減り、粉ミルクで赤ちゃんを育てる母親が増えたらしい。(女性の社会進出とかそういう背景もあると思うけどね)
当然、母乳で育てた赤ちゃんの方が粉ミルクで育てた赤ちゃんよりも生存率、健康度が高いので、前者の方が母親にも赤ちゃんにとっても良い。

企業が利益を上げるために、粉ミルクの拡販を行った結果、粉ミルク依存の母子が増えてしまい、その結果子供の健康が害される、もしくは発展途上国で継続的に粉ミルクが買えない(最初は無料の粉ミルクに依存し、母乳も出なくなっている)という問題が起きた。その結果ネスレ・ボイコットという乳幼児用食品販売戦略に対する抗議行動があった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88

そして、そんな状況を防ぐためにWHOはInternational Code of Marketing of Breast-milk Substitutesなる粉ミルクの宣伝、販促活動を防止するWHO Codeを設けている。
http://www.web-reborn.com/humanbirthpark/breastfeeding/who-code-naiyou.htm

個人的にはWHO Codeが正しいとは思わない。特に共働きをしている家族にとっては粉ミルクがないと大変だろうし、規制ばかりしていては経済活動が停滞してしまう。ただし、企業側は消費者に対して粉ミルクに依存するリスクを周知する努力をすべきだろう。

まあ、世の中の父親・母親はたまごクラブとかひよこクラブを読んでいて、そういうのは当然のように知っていて、子供のいない自分だけが知らないのかもしれないけどね・・・

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